まずは「禁煙決戦の決意」と、「禁煙決戦の理由」から。なにごとも最初の決意が肝心です。




禁煙11日目。吸いたい気持ちを比べてみると。

僕が初めて禁煙を経験したとき。

一週間を過ぎても、煙草を吸いたいって気持ちがなくならないことについて、ものすごく不安になった。「この気持ちはいったいいつまでつづくんだろう」。

 

禁煙開始3日目までの喫煙欲求が、

 

「タバコ吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい、こんなことしてる意味なんてあるのか? ふざけんな!」

 

という感じなのに対して、一週間以降は

 

 

「すいたい」

 

 

くらいのもの。ちょう淡泊。

 

とはいえ、これだって波がある。明日には

 

吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい」

 

レベルの波状攻撃を受けるかもしれない。

 

でも決して、初めの3日間を超えない。もうウォリアータイプのJTの刺客はその最大勢力を失った。僕の勝ちだ。次の戦いにもぜったい負けない。

 

 

とか書いた6時間後に、ウォリアータイプのJTの刺客による波状攻撃。「吸いたい」と書かれた旗を背中に立てた兵士たちが、丘の上からいっせいに駆け下りてくる。こちらに向かって突進してくる。

「お前を中毒から逃がすものか!」

と血眼になって僕に向かってくる。僕は刀を抜いて、右に左に斬りまくる。

「倒れてたまるか。負けてたまるか。これは決戦なんだ。一歩も引けないんだ。僕にかなわないことを徹底的に教えてやる」

ふぅ。

乗り越えるのに五分はかかった。

数十秒我慢すれば「吸いたい」という気持ちは消えていく、という風説を僕は信じてない。信じてないと言うより、数十秒我慢しても喫煙衝動が過ぎ去らないことがザラにあるので、僕にその説は当てはまらない。

喫煙衝動は何分もつづく。

でもその間、ずっとJTが送り込んでくる刺客と斬り結ぶ想像をする。すると不思議と力がわいてくる。絶対に負けるものかという気分になる。戦っているのは僕だけじゃない。おそらく日本中のいたるところで、仲間が孤独に戦ってる。なかには倒れていく禁煙者もいるだろう。でも、倒れていない仲間もいる。彼らはみんなこれが「決戦だ」と腹をくくっている連中だ。

「やるしかねぇだろ、生き延びたいなら」

そう、やるしかないんだ。

倒れてたまるか。