禁煙26日目。「試しに1本」の原理。
巨大な喫煙欲求は襲ってこないけど、
地味にスネを蹴ってくるような、
いやらしい喫煙欲求がさっきから足下にからみついてる。
「試しに吸ってみたい」
という感情に近い。
ほんとしつこい奴らだな。もうすぐ1ヶ月経つというのに。
たぶん昨日、人の煙草と灰皿を片づけたからだと思う。
僕はこの決戦に臨むにあたって、
煙草にはもう触れないと心に決めているくらいだから、
灰皿だって触れるのにはどきどきしていた。
でもどうしても位置的に自分が片づけなくちゃいけなくて、
けっこう上等な作り笑顔をみせつつ、
さっと灰皿を片付けた。
「うわあ、煙草だ〜。こんなもの吸ってたのかぁ〜」
と思った。
その印象がまだ脳内のどこか残っているのだと思う。
今は「嫌いなもの」として僕は煙草を理解してるけど、僕の脳は十五年もの長い間「ニコチンを補充せよ」と命令を出し続けてた。
この二つは矛盾する。
心「ニコチンきらい」
脳「ニコチンを補充せよ」
だから
「嫌いなもの」を「補充せよ」
↓
「もう吸えなくなったか、試してみよう」
みたいな発想が生まれる。
こうやって正体がわかるだけで、ずいぶん心が楽になる。
今日も、負けない。