24日目。煙幕。
引き続きパワー系のJT兵の襲撃が。
この戦いには慣れているけれど、だからといって疲れないわけじゃない。油断はできない。油断をした瞬間に、僕はニコチン中毒に戻ってしまうのだから。
「吸いたい」っていうつよい気持ちは、脳みそに煙幕をはる。
あまりに視界が悪くなって、周囲がなにも見えなくなる。それまで見えていた「煙草は僕から人生を奪っていく」という事実が、とたんに視界から消えてしまう。
その瞬間に、煙草をくわる。
そうやってJTに負けた経験が、僕にはなんどもある。
でも今回は負けない。
「吸いたい」という気持ちの正体がJT兵だと分かっているから。
あいつらの思い通りになってたまるか。
たしかにJT兵はしつこい。
いつになったら「吸いたい気持ち」はなくなるのだろう。
JT兵がいなくなるのだろう。
僕だって不安になる。
でも、
「禁煙を3日目よりも、1ヶ月目のほうが断然キツい」
なんてことを、僕らは人からきいたことがない。
実体験としてだって、JT兵は1ヶ月もすればほとんど姿を見せなくなる。
だから、この不安は、まやかしだ。
僕らの心を折って、またニコチン中毒に戻そうとするJT兵の仕業でしかない。
もういちどつよく思う。
あいつらの思い通りになってたまるか。
今日も勝てる。ぜったい勝つ。