まずは「禁煙決戦の決意」と、「禁煙決戦の理由」から。なにごとも最初の決意が肝心です。




禁煙15日目。効果を数字でみてみよう。

煙草を吸っていたときは、

目覚ましが鳴ってもなかなか起きられなかった。

一度では起きられなくて、スヌーズ機能に頼ってた。というかスヌーズ機能ありきの目覚ましだった。アラームが鳴って、しばらくしてようやく気がついて、腕を伸ばしてアラームを止め、また五分後に目覚ましが鳴るまで眠りに戻ろうとする。そんなことを二三度つづけて、僕は毎日なにかをあきらめるようにして、ようやく目覚めてた。

その目覚めは、ひどく不快な目覚めだった。

これから始まる一日に、なんの期待もできなような目覚め。

 

「自分が子供だったころ、目覚めはこんなに不快なものだっただろうか」

 

そんなことさえ疑問に思わなかった。僕はもう大人だったし、大人は疲れているものだと思ってた。なにより、不快な目覚めがあまりにも習慣化されすぎていて、その異様な状況をおかしいと思うことさえなくなってた。

 

でも、やっぱりそれは、異様な状況だった。

だって、煙草をやめてからは、嘘みたいに目覚めが良くなったんだから。

正直なところ、僕は決戦に臨んでからいちどもスヌーズ機能を使ってない。一発で目が覚めるし、その目覚めはこれから始まる一日が楽しみに感じるような、快適な目覚めだ。僕は子供のころ、毎朝あたらしい一日が始まるのが楽しみだった。そのことを思い出させるような目覚めだ。

 

とはいえ、僕は「健康目的で禁煙!」したとき、たいていは二週間以内で挫折してた。健康面で禁煙の即効性のある効果は求めづらい。これだけ目覚めが良くなっても、やっぱりそれは「体感」でしかなく、「気のせいだ」「プラシーボだ」と思ってしまえば自分でも否定できなくなる。

ひどい禁断症状が襲ってきたときに「体感」だけを武器に戦うには、僕の意思は弱すぎた。

今思えばそれはウィザードタイプのJTの刺客なんだけど、その日の朝に最高の目覚めを体験しても、刺客に呪文を駆けられて混乱した僕は「禁煙しても、そこまで体に変化ないな」などと事実と反することを考え出して、結果喫煙衝動に対抗できなくなる。

 

禁煙によって得られる健康的な効果を、ひねくれた大人である僕が心も頭も納得するためには「体感」と「数字」の両方で理解するしかない。

 

そのために、今回僕は決戦に臨むに当たって、活動量計を身につけて生活してる。

煙草をやめる前、やめた後、の比較ができるように禁煙前からしばらくの間自分の生活リズムを計測していた。

 

この活動量計「UPシリーズ」は睡眠深度を4段階で測ってくれる。つまり、

覚醒 → レム睡眠 → 浅い眠り → 深い眠り

の4つだ。眠りの深度は右に行けば行くほど深くなる。

たとえば同じ8時間の眠りだとしても、その8時間のなかで、どの種類の眠りの割合が多いかで、眠りの質ががらりと変わる。8時間眠っても、途中何度も覚醒していたり、レム睡眠の時間ばかりだったとしたら、その眠りはいたって表層的な眠りでしかない。

 

じゃあ、実際に僕の眠りの質は、禁煙前と禁煙後でどのように変化しただろうか?

代表的な眠りのグラフはこんなかんじだ。

 

 

【禁煙前】

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睡眠時間は左から右に流れてる。

オレンジ色は、覚醒してる時間。

水色は、レム睡眠。

青は、浅い眠り。

濃い青は、熟睡。

 

このグラフで特徴的なのは、僕は夜眠っているときにも途中で何度か目覚めていることだ。実際に目覚めてしまった時もあるし、目覚めた記憶がないときもある。そのへんはデバイスデータの正確度がまだ甘いのかもしれない。でもいずれにせよ、オレンジ色が示されている回数が多く、長いほど、僕の睡眠が不安定で浅いものとなっていることは間違いないだろう。

 

では、決戦に臨んでからの僕の睡眠はどうだろう?

 

 

【禁煙後】

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これはもう明らかな変化だ。

僕は睡眠中の覚醒回数と時間が圧倒的に少なく短くなった。

途中で覚醒することなく、僕の眠りは安定してる。

加えて、熟睡の時間が長くなってる。

 

煙草をやめてから、毎朝快適に目覚められるはずだ。

気のせいなんかじゃなくて、実際に眠りの質が向上してるんだから。

おかげさまで、というべきだろうけど、僕の睡眠時間は二週間前より平均して30分くらい短くなってる。でも目覚めは快適で、この一週間は集中力も増してきてる。

 

なんどもいうけど、僕の禁煙の目的は時間の創出だ。

一日30分節約するっていうのは、一年で7日間(活動時間でいえば11日間)も余暇が増えるってことだ。

 

煙草をやめただけで38日分も余暇が増えてるわけで、それとあわせたら50日分の余暇になる。

 

50日分!!!

 

なにするその50日で。映画だってゲームだって旅行だって運動だって、なんだってできる。その50日を手に入れるために必要なことは、煙草をやめるだけなんだ。

 

逆に言えば、僕がその50日を失っていた理由はひとつ。

僕がニコチン依存症であり、ニコチン中毒だったからだ。

ニコチン中毒者の僕は、ニコチンを求めるために煙草会社にお金を払い、政府に税金を払い、健康を害して、時間を失ってた。

僕はこの悪夢を絶つ。人生を取り戻す。

決戦を斬り抜ける。JTの刺客を殲滅する。